高御位山は別名で播磨富士とも呼ばれている兵庫県加古川市と高砂市の市境に位置する両市の最高峰である。山頂は断崖絶壁の岩場になっており、その岩上から地元出身者が自ら創作したグライダーで飛び立ったということから、それを称えた飛翔の碑がある。知名度は高く、元旦にはご来光を目的とした多くの登山者で賑わう。その山頂にある岩場からは東に加古川市や高砂市、西に姫路市の一部といった東西で異なった夜景が一望できる。空気が澄んでいれば、遠く明石海峡大橋までも望める。市街地までの距離が離れているため角度が甘く迫力には劣っているが、ここの山夜景がとても魅力的で美しいと思えるのは、低い山々がそびえる播州平野が作り出す独特の地形とその光の存在を強く感じ取ることができるからであろう。プロの写真家が撮影した岩場に立つ人物と背景に広がる夜景という構図は、まさに芸術作品ともいえる一枚絵であった。