岩神山は和歌山市六十谷の裏山で紀泉高原の中腹に位置している。山頂の直下には岩神観音があり、隣の東峯には女神像が設置されている。周辺には葛城修験の道の行場とされる鳴滝不動尊があるなど深い歴史を持つ山域である。はじまりは紀泉アルプスの縦走中に紀泉高原から山を隔てた奥に広がる和歌山市内の景色を望んだことであった。その景色を眼下にできる山を調べた結果、この岩神山の存在を知った。当時は情報量が少なく、国土地理院地図にもこの山の位置は記されていなかった。わずかな情報だけを頼りに登ってみると、まさに求めていた和歌山市の夜景が広がっていた。西から東へ流れる紀ノ川を中心に煌めく市街地と河川に架かる橋が水面に反射している光景は見事に端麗な独特の地形になっている。それは最も和歌山市らしい景観である。この迫力感と視界の広さ、光量、美しい特徴からして和歌山県最大の山夜景といえるだろう。