龍王山は奈良県天理市に位置する大和国を代表する山城が築かれていた山である。田の龍王社が祀られていることから、龍王山と呼ばれるようになったといわれる。中世の史料に登場する龍王城は南北二つにわかれており、互に呼応しあって一つの城を形づくる別城一郭の構えであったとされている。眺望が良い南城跡は空気が澄んでいれば大阪を隔てて遠く明石海峡大橋まで望むことができる。この龍王山山頂とされている南城跡の展望地からは、眼下の天理市をはじめ、北葛城郡や香芝市といった大和平野の夜景が一望できる。生駒山地と金剛山地の間からは遠く大阪夜景までも望むことができる。光量には乏しいものの、この山夜景の醍醐味ともいうべき魅力は大和平野独特の地形だといえる。各幹線道路のラインが大阪方面へと伸びているのが特徴的でとても美しい。この土地ならではの風情を感じることのできる奈良大和の山夜景だといえる。