小倉山は京都市右京区の京都盆地西端に位置している。小倉百人一首の編纂地とされていることから、雄蔵山や小椋山などとも呼ばれており、周辺には歌碑が設置されている。また、南側の保津峡には保津川が流れる。京都の山夜景といえば有名な将軍塚や大文字山が頭に浮かぶ人が多いと考えられるが、どちらも古都という歴史を感じさせているとは言い難い。しかし、この小倉山だけはそれを感じさせられる京都らしい夜景を望むことができるのだ。小倉山の中腹に展望地があり、直下の渡月橋をはじめ、嵯峨野から京都盆地までの夜景が広がっている。カーブを描くように流れる桂川が特徴的で、最も京都らしい風情のある夜景を望むことができる。はじめてここを訪れた時に「これぞまさに京都だ!」という印象を受けた。全体的に視界が狭く理論的評価も高いとはいえないが、古都京都を感じさせられる山夜景は非常に珍しく貴重である。