撮影場所:金時山の山頂
金時山は神奈川県南足柄市と静岡県駿東郡小山町の境界にあり、箱根山の北西部に位置している。別名で猪鼻岳とも称されて山頂には猪鼻神社が祀られている。江戸時代、坂田金時の故郷が足柄山であったことから「金太郎伝説」ができて金時山と呼ばれるようになったという。はじめてこの山に登ったのは紅葉時期が過ぎた11月下旬の昼間であった。登頂して景色を眺めてみると山夜景が期待できると思った。それから約一年後の晴天に恵まれた日、最短ルートである足柄峠林道の閉鎖ゲートから夜間登山を決行した。日没前に登頂した際、茶屋にいた金時娘だと思われる女性から「ずいぶん遅い時間だけど大丈夫?」と声をかけられて「夜景撮影が目的なので大丈夫です」と答えた。そしてトワイライトタイムになると、雲一つない富士山のシルエットを背景とした御殿場市街の夜景を望むことができた。それはまさに芸術作品ともいえる景観美。この素晴らしき光景を望めるのは日没後のトワイライトタイムのわずか数分間だけであろう。また、途中にある猪鼻砦跡からの山夜景も美しい。