黒岳は山梨県南都留郡富士河口湖町と笛吹市の境界に位置する御坂山地の最高峰である。西側の尾根沿いにある破風山を隔てた先には富士山のビュースポットで有名な新道峠の展望台があり、多くの写真家で賑わっている。この新道峠からの眺望だけで事足りるのかもしれないが、さらに高い場所から望みたいと思うのは夜景登山家としての贅沢であろうか。はじめてこの山に登頂したのは積雪末期であった。山頂付近の広くなった場所にテントを張り、暖をとって食事をしながら日没を待った。山頂の南側に位置する展望地からは、富士山を背景に麓に輝く河口湖周辺の夜景を望むことができる。まさに積雪した富士山と夜景というコラボレーションが見事に揃っているのだ。架かる河口湖大橋も良い具合にアクセントとなっていて特徴的。下山時に立ち寄った新道峠の展望台からも、やや視界が狭まっているものの素晴らしい景観美であった。