丹沢山地の東端に位置している大山(おおやま)はピラミッド型の山容をしていることで、古くから多くの信者を迎えていたと伝えられる。相模湾から水蒸気を含んだ風の影響を受けていることから、別名として雨降り山(雨が降りやすい山)とも呼ばれている。はじめてこの大山に登ったのは晴天に恵まれた冬であった。期待は薄いが夜景も見ておこうと昼過ぎから山行を開始した。ところが山頂直下にある展望地からの景色に度肝を抜かれて日没を待った。この展望地からは広大な関東平野のほぼ全域の夜景を望むことができるのだ。さすが首都圏というだけあって想像を上回る凄まじい光量である。市街地までの距離があるため、角度が甘く迫力に劣る部分があるが高度感と光量がそれらを補っている。まさに東日本最大の山夜景といえるだろう。また、トワイライトタイムに山頂茶屋から望む小田原方面の光景は県内屈指の景観美。